日本のヒロイン変遷論3:独立した個々のキャラが求められる時代


こんばんは! ツユキサトシです。

本日も続きます、ヒロイン変遷論。

ちなみにオタク的な話だとバカにしている人もいるでしょうが

こういうテーマを国際文化の学問として 取り扱っている大学もあるほどで、

ここにもまた世界を見据えた 大きなビジネスチャンスがあることも事実です。

今日はそんな要素も含めつつ、 大マジメに語っていきたいと思います。

前回、アニソンのヒットの流れから

キャラクターソングのお話をさせて頂きましたが

キャラ別に曲を出したことで、キャラの人気差が如実になり、

作品以上にキャラクターのファンである視聴者が登場し始めたのが特徴です。

大ヒットした「けいおん!」にしても、

ファンの間で「誰が好き?」という話になることが多いのが

その傾向を端的に示しているでしょう。

けいおん!

アニメヒロインの【独立型】構造の特徴は、

ひとつの作品という同じ世界・グループに属しながらも、

それぞれの個性が重視されているという点です。

この【独立型】をリアルの世界で

まさに体現しているのが、今のAKB48です。

AKB48のファンならば、明確にメンバーの中で

「○○○さんが好き」「推しメンは○○」と言えるはずです。

グループの中で個々のキャラクターが

個性を発揮するのが【独立型】期の特徴です。

しかしながら、こういったグループの中で、

個々の人間やキャラクターが生き残ることは難しいことです。

数が多い中で存在感を示し続けることはタフなことだからです。

だから、ファンは自分が応援するキャラクターやメンバーに対し、

「応援」するのであり、そういう意味ではアニメファンも、

AKB48のファンには差はないと言えるかもしれません。

さてアニメファンがキャラクターや声優を追いかけるのは、

もちろん恋愛感情に近い理由もある場合はあるでしょうが、

サポーターとして「応援したい!」という意識が

理由になっている場合もあるとツユキは分析しています。

この辺の心情には、いろいろな背景もあると思いますが

ここでは本題から逸れるために、また機会があればお話ししたいと思います。

さて、ここまでヒロインブームの変遷という

テーマでお話をさせて頂きましたが、

今後もこの【独立型】が1つの流れになるでしょう。

例えば、元モーニング娘。ならば

いまいろいろとお騒がせをしているの矢口真里さんや

夫婦揃ってブランディングが成功している辻希美さんが

今も芸能界で生き残っていることはが大きなヒントになるのではないでしょうか?

ポイントとなるのは個々の 「パーソナルブランディング」という観点です。

今、グループに所属していたとしても、そのグループが永久であることはありません。

もし、そのような場合になった時に生き残るためには、

自分のキャラ・個性を確立しておくことが必要です。

そのために必要なのは、 ブログやTwitterなどで個性を発揮することです。

話をアニメに戻すと、今後、メディアが各キャラクターを

どうやってブランディングしていくかが課題となっていきます。

キャラクターは、実在する存在ではないので、

自分の意思でブログやTwitterをやることができません。

代わりの人間がやったとしても、視聴者は

それをエンターテイメントとして楽しむことはできても

それに共感することができないので長続きはしません。

声を担当する声優がその役割を果たすことも可能でしょうが、

声優には声優としてのパーソナルブランディングが必要であり、

それらを使い分けるのは難しいでしょう。

さて、このヒロイン変遷論を締めくくるにあたり、

ポイントとなるのは、

バーチャル(アニメ)とリアル(アイドル)が似たような変遷を辿ってきている

という点です。

【対立型】 うる星やつら、エヴァンゲリオン ⇔ ピンクレディー

【乱立型】 ラブひな、エロゲー ⇔ おにゃん子クラブ、モーニング娘、AKB(初期)

【独立型】 けいおん!、初音ミク ⇔ AKB(後期)、きゃりーぱみゅぱみゅ

ジャニーズにたとえるなら、

Kinki kids(対立型)→どちらが好みかファンで話題になる

Hey! Say! Jump(乱立型)→どちらかという個々の個性が目立たない

SMAP、嵐(独立型)→個々が独立で活動が行なえる

という感じです。

これは、必ずこういう順番になるという意味ではありません。

ただ重要なのは、マーケティング的な観点においては、

最終的に目指すべきところは【独立型】となるという点です。

特に【乱立型】は継続性が低いということもあり、

どこかのタイミングで【独立型】へ移行することが重要です。

そういう意味でAKB48のマーケティング手法というのは、

秋葉原のアイドル集団から、メンバーに個々の番組や趣味を持たせて

それをアピールしていった戦略はかなりうまかったかと思います。

ソーシャル上のブランディングにおいても

このヒロインの形の変遷を意識することで、

うまくブームに乗れるのかもしれませんね。

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