日本のヒロイン変遷論2:現代ヒットアニメの起源は『源氏物語』?


こんばんは。 ツユキサトシです。

今日もマニアックブログいきます(笑)

昨日、お話しした【対立型】構造は

次第に【乱立型】構造へと変遷していきます。

それは少人数のヒロインだけでは

多様化したファンのニーズを満たせなくなったからです。

この【乱立型】の特徴としては、

とにかく多くのファンのニーズを満たすべく、

大人数のヒロイン・女性キャラを 登場させている点です。

これによって、ファンの間で、

「ロリータ」「ツンデレ」「メガネっ娘」というように

女性キャラをカテゴリ分けする傾向が強くなりました。

少し余談をすれば、近年、大ヒットを記録した『けいおん!』

このカテゴリ分けが非常にうまく機能している作品とも言えます。

(天然キャラや妹キャラ、しっかり者キャラ、委員長キャラなど)

それはさておき、こうしたお話をすると

どうしてもオタクのようなイメージを連想させますが

このハーレム的文化は、実は『源氏物語』時代から

日本人のDNAに刻まれた精神的な構造です。

もっとも『源氏物語』の場合でいうと、

いろいろな立場の女性を出すことによって

いろいろな女性読者の共感を呼び起こしている というのが、

現代のアニメとは異なっており、興味深いところです。

さて、アイドル界ではどうか?

70年代が終わり、80年代に入ると、

おにゃん子クラブが登場するなど、 まさに【乱立型】が台頭します。

これは女性アイドルだけでなく、

ジャニーズなどを見ていてもどんどんメンバーの数が増え、

【乱立型】こそがマーケティングの王道となっていきます。

また、AKB48が登場した当初は、

「48人もアイドルがいるなんて!」というように

受け入れられるか心配する声も聞かれましたが、

今では当たり前のように人々は受け入れています。

AKB48

しかしその裏には『源氏物語』から流れている

日本人の中に埋め込まれた潜在願望が隠れています。

現代日本では、一夫一妻制を敷いているので

どうしてもハーレムというイメージはないでしょうが、

江戸時代の殿様が側室を抱えていたことを考えれば、

ハーレム文化は、日本人に昔から根付いていた文化なのです。

そして、それを現代で加速させたのがエロゲです。

男性の欲望を叶えるという形で、また1つのゲームで

多くのシナリオ・ヒロインを楽しめるよう

現実ではありえないようなシチュエーションを

実現させたのがエロゲだったと解釈することができます。

そのエロゲをルーツとし、 初期のヒロイン【乱立型】アニメには

性的なエッセンスが含まれるケースが多かったと思います。

【乱立型】構造を持つ漫画・アニメのいい例といえば、

週刊少年マガジンで掲載されていた『ラブひな』であり、

女性に囲まれて夢のような生活を送るという

読者の隠れた願望を叶える作品だったという訳です。

ラブひな(1)

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この『ラブひな』のすごいところは、

ただ漫画、アニメで成功しただけではなく、

音楽やコンサートなど、多岐の方面に渡る

商品化・マーケティングで非常に成功したことです。

この『ラブひな』の場合もそうですが、

一部のレコード会社がだんだんアニソンで

稼ぐことを始めるのもちょうどこの頃の話です。

例をあげればキリがありませんが、

『魔法先生ネギま!』の「ハッピー☆マテリアル」が

オリコン上位に食い込んだことを皮切りに、

『涼宮ハルヒの憂鬱』の「ハレ晴レユカイ」が

週間オリコンで5位を記録するなど

日本音楽界にアニソンブームを巻き起こしました。

そして、アニソンで成功したレコード会社は、

次の一手として今までアルバムに収録されるばかりだった

キャラクターソングをシングルとして販売し始めます。

そして、この流れが 次の【独立型】構造誕生へのきっかけとなったのです。

勝手に文化的・マーケティング的な裏付けをこじつけて突き進む

このヒロイン変遷論、明日の更新もどうぞお楽しみに(笑)

<関連記事>

日本のヒロイン変遷論1:【対立型】構造の誕生

日本のヒロイン変遷論3:独立した個々のキャラが求められる時代

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